右に回る大根

 

キッチンガーデンでは、冬野菜が順調です。

 

少しは土がやわらかくなったのでしょうか、根野菜はちっとも地中奥へ伸びてくれなくて、「ウチで根野菜が出来るのは5年先かなぁ?」と半ばあきらめモードだったのですが、大根が、イイカンジで出来ちゃったのです。

 

「この青首のところ、もう抜いちゃっても いいよ、ってカンジじゃない?」

「おう、抜いてみるか!」

 

・・・回しながら抜いてみました。

この時期、植物は右周りにくるくる旋回しながら生えているってご存知でしょうか?

 

冬至から春分にかけて、植物は「陽」の気を受け、右巻きに旋回します。

 

私が習っている生花の嵯峨御流の世界では、逆勝手で植物を見るので、「左旋(させん)」と反対の呼び方をします。植物学者の牧野富太郎先生も「左巻き」って仰っていたそうです。まぁ、お空の上から見るか、土の下から見るか、ってことですかね。

 

冬寒いのに、なぜ「陽」なのかというと、空気は冷たいのですが、地中は温かいので、「陽」となるのです。土が始点なのです。人間は、寒い季節に「陽」の野菜を食べることで体を温めている、ってわけです。だから冬はしっかり根野菜を食べましょう。

 

この話を始めると、DNA螺旋構造から宇宙にまで話が行っちゃいそうなので、今日はこの辺で。

 

 

なななんと、美人じゃあーりませんか!
なななんと、美人じゃあーりませんか!

大根の表情をよーく観ると、横筋が入っているのが分かるでしょうか。

 

これは木の年輪と同じようなもので、この一筋一筋が、この大根が少しずつ土の中で伸びて行った軌跡なのだそうです。

 

自然栽培の大根は、肥料も何もないので、自分だけの力で、コツコツとゆっくり、無理なく、しかも力強く伸びていきます。少しずつしか伸びないので、細胞が小さく、キメの細やかな大根になるっていうわけですね。

 

肥料で無理に一気に大きくされちゃうと、見た目は大きいんだけれど、中身はスカスカの俗に言う「大味(おおあじ)」な大根になってしまうのでした。食べ比べると、違いがすぐに分かりますよ。

 

 

そんなわけで、自然栽培の大根ちゃんは、煮物にするとやわらかくて美味しいんです!しかも、煮くずれもしにくいという!

 

そう、ピンときましたね。おでんにぴったりなのです!

 

おでんにした日にゃぁ、そりゃもう!「お母さん、ありがとぉぉぉ!」…って、家族に感謝されるくらい、美味しいおでんが作れますよ。

 

皮は固めなので厚めに剥いて、我が家では切り干し大根にすべくお日様に当てております。

 

葉っぱはもちろん、乾煎りしてじゃこやゴマと混ぜ、ご飯と一緒にいただきます。大根は捨てるところがありませんね。

皮は切り干し大根にします
皮は切り干し大根にします