出会い

頂いた畑のハーブ、しばし飾って見とれてます
頂いた畑のハーブ、しばし飾って見とれてます

 

 

以前から、畑や作物に対し敬意と愛情を注いでいることが伝わってくる、自然農に取り組んでいる女性とやりとりさせていただいていました。

 

仕事上、あらゆる自然農・自然栽培の生産者さんとの出会いが増えている私ですが、「ああ、この人の考え方っていいな…」と思う人はそんなにはいらっしゃいません。そんな中で、その女性はとてもしなやかで印象的でした。

 

岡山県、吉備中央町のノリランカさん。悶々と思い悩む私に会いに来てくださいました。思い描いていたノリランカさんの印象とはいい意味で違っていて、(もっと厳しくストイックな年上の女性と思っていた) たおやかで、気取ってなくて、ちょっと方向音痴なところも面白くて(笑)ひと目で好きになりました。

ほわんとした雰囲気の中にも、折れない強さが感じられて、その強さというのも、厳格でゴツくてこちらが恐縮してしまうような類のものではなく、しなやか、といった表現がより近いでしょうか。この方の畑や田んぼは、気持ちのよい空気と風が渡っているのだろうな…と想像します。

ジャガイモの花が咲きました♪
ジャガイモの花が咲きました♪

 

自然農・自然栽培というものをどうとらえるか、という話をしました。どうしても生産者は、消費者に買ってもらい続けるために、経済ベースにのせることにウェイトを置かざるを得ないわけですが、それは手段に過ぎず、自然農・自然栽培には、その先の手段以上のものが得られるのではとノリランカさんはお考えのようです。

 

私はずっと、花だけを育ててきたので、「収穫する」「収穫しなくてはいけない」という意識が薄く、ただただ植物を「愛でる」行為に終始してきたこともあり、経済ベースに乗せようとする人の行為を「お金儲けに走っているのでは」「自然界を冒涜しているのでは」と警戒心を強くしていたことに気づきました。

話を伺っていくうちに混乱していた頭が整理されていきました。

自然農の世界にも、

・生産者寄り(経済ベースにきちんと乗せることが、生産者の使命と考える)

・消費者寄り(買ってくれる人の立場を一番に考える)

・作物寄り (自然、環境、植物、生態系などを大切にし、人間がそれに合わせる)

 

こんなふうに、どこにフォーカスして生産しているかによって、その畑に結果として現れてくるもの・・・土壌、植物の相、虫を含む動物の相、できた作物など、本当に千差万別で、(作物の味まで違ってきます!)


「自然農」や「自然栽培」が一つのカテゴリに括られるのがおかしなほど違ってくるんだ、ということがわかってきました。私は一緒くたになって混乱していたんだなぁ、とようやく腑に落ち、すごくスッキリしました。ちなみに、私はたぶん、最後の「作物寄り」でいることにフォーカスしていると思います。さらにいえば、私にとっては「作物」も「植物」と呼ぶ方がしっくりきています。

つづく)